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新技法の発見
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​新技法の発見
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​新技法の発見

​新技法の一例

​絵画 彫刻 そしてレリーフ

​エッチングガラスの制約

​エッチングガラスを超えたガラスレリーフへ

​ガラスレリーフの安全性
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エッチングガラスの美術性を高めるには、自由な発想による新しい表現新しい技法が必要です。

新技法発見はガラスの制約(割れやすい等 強度の問題)に囚われず、ブラスト機械の改良に始まり、設備、器具、彫り方の研究など試行錯誤を繰り返した結果得られたものです。
これによって作品に立体的なリアリティを与えることができました。
​新技法により美術性を高めた結果、エッチングガラスがガラスレリーフに近ずいたといえるでしょう。
​エッチングの豆知識

​エッチングガラスとは

​一般にエッチングといえば銅板で刷られた線画を
思い浮かべます。一方エッチングガラスは銅版が
ガラス板に代わり、銅版画を摺る刷版ではなく、
板ガラスそのものが作品となったものです。

エッチングガラスは板ガラスの表面を砂で彫り
(サンドブラスト)、薬品で加工し絵や模様を
描きます。
​主な用途は部屋の間仕切り(パーティション)や
ドアーガラスです。
 

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新技法の一例

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​太線 外形線(シルエット)
​細線 内側の筋線
たとえば紙で折った鶴を板ガラスに彫るとします。
先ず折鶴の絵を原画として線で描きます。(設計図のようなもの)
それをマスキングされたガラス面に転写し、形をカットしたものを
はがしながら鶴の形を彫っていきます。
原画に描かれた鶴の外形(シルエット)の線もその内側に折られた線も
絵画(2次元)では同じ線です。
​従って今までのエッチングガラスではこの2種の線を、深さの差こそあれ
同じ様に彫っていました。
その結果鶴には実在感がなく、奥行きの薄い平面的なものとなりました。
しかし鶴の外形線と内側の筋線は異質のものです。

















内側の線は中の形を表します。一方外形の線は形だけでなく、鶴と背景との
間にある空間(遠近)を含んだ線です。
​この線を彫り分ければ、鑑賞者は鶴と背景の間に距離(遠近)を感じる
でしょう。

さらにこの遠近は鶴の存在感を高めるとともに、全体に深い奥行きと
現実感(リアリティ)を与えます。
​これは新技法の一例です。


 
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​絵画 彫刻 そしてレリーフ
2次元の絵画と3次元の彫刻との間にレリーフがあります。
たとえば絵画で表現できる風景は彫刻ではできません。
一方彫刻には対象物の実在感を表す圧倒的な力があります。

造形の分野から見て、絵画表現の多様性と彫刻の実在感を併せ持つのがレリーフです。
​この意味ではエッチングガラスは絵画に近いかもしれません。
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​エッチングガラスの制約

​パーティションやドアーガラスに使用するには、地震等による割れ、飛散を考えねばなりません。
割れやすい、手が切れるといったガラスの材質上の問題から、エッチングガラスには制作上多くの制約が課されてきました。

その制約が自由な制作の足かせとなり、美術上の進歩を妨げることになりました。
板ガラスに砂を当てて彫る(サンドブラスト)となるとガラスの強度を弱めないように浅く彫る(浅彫)となり、作品は平面的で絵画的なものとなります。

 

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​エッチングガラスを超えたガラスレリーフへ

​ガラスレリーフは​制約に囚われず​、極限までガラスを彫りこみます。
しかし従来の深彫ではありません。
簡潔に言えばエッチングは外形線を彫るもの
それに対してレリーフは中身を彫り、結果 外形線ができている...というものです。


またエッチングの深彫は大きな面積を彫っておいて(肉彫)その上から再び彫る(2段彫)というもので、作品の仕上がりは感動の薄いものになってしまいます。
かつて私の美大時代のレリーフ摸刻の経験上、便宜的で観念的なものです。

ガラスレリーフは肉彫は勿論、さらに多くの彫り方多様な技法を屈指して彫られます。
この彫り方によるガラスレリーフは量産できない、1点のみのオリジナル作品です。(非抜け勾配の為)
 

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​ガラスレリーフの安全性
ガラスレリーフは美しさを追求するあまり、ガラスを深く彫ることがあります。又、彫面に手を触れることもあり安全性が気になりますが、
この点は十分に検討し技術的な結論が出ています。
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